「転出届」と外国人の脱退一時金

脱退一時金を受け取るには、日本出国時に市区町村へ「転出届」を提出することが必要です

脱退一時金の受給には、日本出国時に市区町村へ「転出届」を提出することが必要です。

 2012年7月8日までは、外国人住民には日本国の「住民票」は作成されませんでした。しかし法律が改正され、2012年7月9日からは、外国人住民にも「住民票」が作成されるようになりました。

 日本に住んでいた外国人が日本国外に転出するときには、市役所(市区町村の役所)に「転出届」を届出することが必要です。

 この「転出届」の届出がないと「日本に住所を有している人」と取り扱われます。

 脱退一時金の支給要件の一つ「日本に住所を有していない方」に当てはまらないため、脱退一時金が支給されません。

 脱退一時金を受け取るためには、日本を出国する前に、市区町村の役所に「転出届」を届出ることが必要です。

2012年7月9日から日本の行政機関の手続きが変わりました

法改正により2012年7月9日から、日本の行政機関の手続きが変わりました。

2012年7月9日に、外国人住民に関係する法律が大きく変わりました。

主な法改正は次のとおりです。

  • 出入国管理法が改正されました

 「在留カード」の交付が開始されました。

 「みなし再入国許可」が開始されました。

 その他

  • 外国人登録法が廃止されました

 従来の「外国人登録証明書」は廃止されました。

  • 住民基本台帳法が改正されました

 外国人住民にも、日本の「住民票」が作成されるようになりました。

 2012年7月8日までは、外国人住民には日本の「住民票」は作成されない制度でした。

 しかし、2012年7月9日からは、外国人住民にも「住民票」が作成されるようになりました。

 そして、外国人が日本国外に転出する場合は、「再入国許可」を得ている場合であっても、原則、「転出届」の届出が必要になりました。

「転出届」と外国人の脱退一時金の関係は

「転出届」と外国人の脱退一時金の関係は

 脱退一時金の支給を決定するのは日本年金機構です。

 日本年金機構では、外国人から脱退一時金の請求があると、まず「脱退一時金請求書」や、パスポートのコピーなどの提出書類に不備がないかを確認します。書類に不備があれば、受付されません。

 提出書類に不備がなければ、次に「日本に住所を有していないこと」が確認されます。

 ここで、日本に住んでいた市区町村に「住民票」が残っていれば、「まだ日本に住所がある人」と判断されます。この場合は、原則、脱退一時金は支給されません。

 「転出届」が出され、海外転出により「住民票」が消除されていれば(日本に住所が無くなっていれば)、「日本に住所が無い人」と判断されます。そして脱退一時金が支給されます。

 2012年7月以降は、日本年金機構が脱退一時金の支給を決定するために「日本に住所を有していないこと」を確認・判断する事務手続きが増加したようです。

 そのため、2012年6月以前に比べて、脱退一時金の支給決定までに多くの日数を要する傾向にあります。

「転出届」の手続き代行 / 外国人の脱退一時金

お客様の委任(委任状)により行政書士が「転出届」の届出を代行します

お客様の委任(委任状)により、行政書士が「転出届」の届出を代行します

 外国人が日本を出国したときに、「転出届」を届出していないときは、当事務所の行政書士が、お客様の委任(委任状)によって、日本で住んでいた市区町村の役所に「転出届」の届出を代行することができます。

 (脱退一時金の手数料に加えて、追加料金をご請求します。)

 日本の最後の住所地の市区町村役所に「転出届」の届出が必要な場合は、当事務所までご相談ください。

 市区町村役所への「転出届」の届出は、国家資格者の行政書士が行います。

 なお、社会保険労務士は、この「転出届」の届出を行うことができません。

(ご参考)「転出届」と脱退一時金に関する法令

(ご参考)「転出届」と脱退一時金に関する法令

 「転出届」と脱退一時金に関する法令の抜粋を記します。

  • 国民年金法、
  • 住民基本台帳法、
  • 住民基本台帳法施行令

 の該当する条項です。

 参考にしてください。

国民年金法

国民年金法

(被保険者の資格)                                                       

第7条  次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。

1  日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって次号及び第3号のいずれにも該当しないもの(以下「第1号被保険者」という。)

2  被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者(以下「第2号被保険者」という。)

3  第2号被保険者の配偶者であって主として第2号被保険者の収入により生計を維持するもの(以下「第3号被保険者」という。)

(資格喪失の時期)

第9条  第7条の規定による被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至つた日の翌日に、被保険者の資格を喪失する。

1  死亡したとき。

2  日本国内に住所を有しなくなったとき(第7条第1項第2号又は第3号に該当するときを除く。)。

3  60歳に達したとき(第7条第1項第2号に該当するときを除く。)。

(以下省略)

住民基本台帳法

住民基本台帳法

(住民基本台帳の備付け)

第5条  市町村は、住民基本台帳を備え、その住民につき、第7条及び第30条の45の規定により記載をすべきものとされる事項を記録するものとする。

(住民基本台帳の作成)

第6条  市町村長は、個人を単位とする住民票を世帯ごとに編成して、住民基本台帳を作成しなければならない。

2  市町村長は、適当であると認めるときは、前項の住民票の全部又は一部につき世帯を単位とすることができる。

(転出届)

第24条  転出(市町村の区域外へ住所を移すことをいう。)をする者は、あらかじめ、その氏名、転出先及び転出の予定年月日を市町村長に届け出なければならない。 

住民基本台帳法施行令

住民基本台帳法施行令

(住民票の消除)

第8条  市町村長は、その市町村の住民基本台帳に記録されている者が転出をし、又は死亡したときその他その者についてその市町村の住民基本台帳の記録から除くべき事由が生じたときは、その者の住民票を消除しなければならない。

(住民票を消除する場合の手続)

第13条  市町村長は、住民票を消除する場合には、その事由(転出の場合にあっては、転出により消除した旨及び転出先の住所)及びその事由の生じた年月日(法第24条 の規定による届出(以下「転出届」という。)に基づき住民票を消除する場合にあっては、転出の予定年月日)をその住民票に記載しなければならない。

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